今回のテーマは呼吸と活力エネルギーです。
呼吸がなんとなく活力エネルギーに関係しそうだということは認識している方も多いと思いますが、そのメカニズムやどのように生活に活かしたらいいかと言われると首をかしげてしまうのではないでしょうか。
これからその謎に迫ってみたいと思います。
そもそもエネルギーってなに?
みなさんの身の回りにもエネルギーに満ちあふれている人がいると思います。
やる気がある、ハキハキしている、疲れ知らず、いつも笑顔、パワフルなどがその特徴でしょう。
その背景にはモチベーションやストレスへの対処の仕方、生活の管理、日頃の運動など様々な要因があります。
生理学的にそのエネルギー源といわれているのはATP(アデノシン三リン酸)です。
つまり、生理学的にエネルギッシュな人というのはATPを沢山持っている人ということが出来ます。
ATPの役割の一つは脳や神経が機能するための準備状態を作ることです。
ATPがなければ神経が活動する準備状態を作ることができず、脳が意識を保つことすら出来ません。
またATPは筋肉の収縮にも必要です。
関節を動かす骨格筋、心臓を構成する心筋、内臓の蠕動運動を行う平滑筋、これらはATPがないと機能することができません。
つまり死んでしまいます。
このようにATPは生命活動を維持するために欠かすことの出来ないものです。
ATPってどうやって作られるの?
よしっ,これから運動するぞ!といった時にATPは沢山必要になってきます。
この時にATPは3段階の様式で作られていきます。
1) クレアチンリン酸の脱リン酸
2) 糖(グルコース)を分解してATPを作る:解糖系
3) ミトコンドリアによるATP生産:有酸素系
運動の開始時から順に1)→2)→3)の順にATPが生産されます。
1)は運動開始から数秒の間に機能する様式です。
1回の生産サイクルの中で1つのATPを素早く供給してくれるというのがその特徴と利点です。
一方でATPの生産効率が悪いので、運動の持続には不向きです。
2)の様式は糖(グルコース)を分解して、ATPを2つ作ります。
この様式は運動開始から数分の間ATPを供給することになります。
1)と2)はATP(エネルギー)供給に酸素を使わないことから、このような短時間の運動を無酸素性の運動といいます。
3)は細胞の中にいるミトコンドリアが酸素を消費しながら1つの生産サイクルの中で34個のATPを生産してくれます。
先の2つの様式と比べると格段に供給効率がいいことがわかります。
しかしこの生産様式のデメリットは様式がやや複雑なため、運動開始から数分経たないと機能しません。
この供給様式は酸素を消費するためこの時の運動を有酸素運動と呼びます。
これが私達のエネルギーが作られるメカニズムです。
続きは後編で。
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