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こんにちは、働く人の心の保健室のココロ先生です。心の保健室は月1回事業場を訪問してカウンセリングや、衛生委員会のサポートをしています。

岡田さんは30歳(男性)係長です、お客様からの評判も良く、管理職の候補として上司の山田部長から期待されていました。しかし今年に入り元気が無くなり気になっていました。なんとなく私も避けられているような雰囲気でしたが、帰りの電車で一緒になったので声をかけてみました。

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「岡田さん、最近元気ないみたいね、仕事も集中できていないようだけど、心配事でもあるの?」
「・・・分かりますか。実は上司には話してないのですが、近所の心療内科を受診しています。休職するように言われました。」
「そうだったの、会社の人には言えなかったのね、産業医の先生にお話し聴いていただきましょうか?」
「お願いします・・・山田部長には話し出せなくて、誰に相談したらいいのか困っていました。」
衛生委員会でもリーダーだった岡田さんですが、診断書を元に産業医面談の後3ヶ月の休職に入りました。

岡田さんは現場でお客様と接していることが大好きだったのですが、山田部長から「私の仕事を任せられるのは貴方だから、後継者として頑張ってほしい。」と言われ、だんだん管理職としての事務仕事が増えていきました。その頃から体調が悪くなっていったのです。岡田さんは山田部長に「私は管理職に興味がない、現場の仕事をさせてほしい。」とは言えなかったのです。

山田部長はその事実を知り「自分が近くにいながらなぜ気づけなかったのか。」とかなりショックを受けていました。職場の仲間は「岡田さんが戻ってくるまで私たちでフォローします」と全員で彼の仕事を分担してくれ、3ヶ月休職後無理なく職場復帰できました。

心の病気は、本人が苦しんでいても周囲は気づきにくいのです。そのため無理をさせたりして病状を悪化させてしまうことがあります。岡田さんの職場は明るくコミュニケーションも良く衛生委員会の活動も活発でしたが、大変忙しく「気づきの余裕」が無くなっていたのかもしれません。高ストレス状態の労働者が放置されないためには、気軽に相談しやすい環境を作ること労働者全員がセルフケアの正しい知識を持ち、互いの心の健康状態を理解し合えるようになることが大切です。

この記事を書いた人

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働く人の心の保健室 ココロ先生(産業カウンセラー)

社会の変動に伴って「職場」は多様化・変動化しています。イキイキ働ける職場を目指して、「COCOLOLO」を活用したカウンセラー、職場にマッチした効果的な研修を提供しています。