世にある多くの心理学、カウンセリングは、話してもらい傾聴する、ということをベースとしているものが多いと思います。
しかし、こちらで解説している脳科学心理セラピーは、しゃべらなくても解決できるのです。
実は、私も90年代では話してもらう、というカウンセリングをやっていました。よくありますね。トラウマを受けた人には、そのトラウマがどのようなものだったかを話してもらう、ということです。
しかし、脳の事、免疫の事、内分泌の事、遺伝子発現のこと、などを勉強していくうちにわかったことは、ヒトはかならずしも本当のことをしゃべっているわけではないということ。
これは本人が嘘をついている、と言うことではなく、脳は何重にもブロックをかけるので、無自覚でも話す内容に脚色が加わるのです。
それと、言葉で説明できないレベルにメンタル問題解決のカギがあることがわかってきたからです。
なぜなら、情動のカギを握る扁桃体は、0歳から3歳までで完成するので、そこで作られた感受性については、本人は言葉で説明することができません。
つまり何が言いたいかと言うと、本当の問題解決を目指すときには、話を聴くということからは本質にたどり着けないことが多い、と言うことを感じたわけです。
たとえば、今、あなたは職場でメンタルの調子が悪くなったとします。
でも、時々こんな風に話す人がいるのです。
「私自身は本当に恵まれていて職場の上司や同僚は優しいし、両親も愛情深く育ててくれたので、トラウマなんて全くないのですよ。友人にも恵まれているし」
こういう場合、しゃべってもらうことをメインとする心理療法、カウンセリングでは、問題の本質にたどり着くのは、非常に時間がかかります。また、途中で間違った方に進んで行ったりしますね。無自覚ではありますが、話す内容にもバイアスがかかっているので。
ではどうするか。続きは後編で。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。