日本語では、「病気」と「疾患」という言葉が区別されていないと思います。
私は以前、某県医師会の委員をしていたこともありましたが、お医者さんでもこの2つの言葉を区別して使っている人は非常に少なかったのでした。
あなたはいかがでしょうか。
よくうつや、メンタル不調の方が、「あなたは病気なんですよ」と言われることがあるでしょう。
一方、「あなたは疾患があります」と言われたら、この二つの意味の差が分かるでしょうか。
特に、うつ、やメンタル不調の方は、この二つの言葉の意味の差を知っておくことはとても大事なことなんじゃないかな、と私は思います。
なぜなら、うつ、メンタル不調などは、目に見えないからです。
本当は、メンタルの原因である慢性ストレスの状態は目に見えるんですよ。私のセラピーの先生である、筑波大学名誉教授・宗像恒次博士の研究では、ストレスははっきりと白血球の構成比率(顆粒球、リンパ球、マクロファージ)と連動していますし、遺伝子の発現とも連動していますし、もっとわかりやすいところでは、唾液のストレスホルモン(コルチゾール)の値とはっきりと連動するし、先生が開発した心理テストと、これらの生体データの値は連動しますので、はっきりと数値化できるのです。だからこそ、私が行っているセラピーでは、こういうセラピーを、このくらいの回数を行えば、改善できますよ、と自信をもって説明しているのです。
でも、慢性ストレスは目に見えることとか、数値化できることはほとんど知られていないのですね。だから多くの、うつ、メンタル不調対策は、あやふやな感じになっているのです。話を元に戻します。
英語では、この二つは明確に区別されています。
疾患とは、Desiease(ディジーズ) , 病気はIllness(イルネス)です。
健康行動科学の分野では、この2つの言葉は次のように定義されています。
*出典 保健医療行動科学辞典 メヂカルフレンド社
Desiease(ディジーズ) =客観的なデータの異常が認められること。
病気はIllness(イルネス)=Disease(疾患)があるなしにかかわらず、将来に対して不安がある状態。
この2つの詳しい説明は後編で。
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■このたび9/14に私のメンタル本が出版されることになりました。
「不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本」 出版社・秀和システム
うつ状態に陥っていた私が復活できたセルフセラピー法をシンプルにして、皆さんでもできるテクニックを解説している本です。関心ある方はどうぞ。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。