こんにちは、ココロの保健室のココロ先生です。
「今朝、このまま電車に飛び込めたら楽になるのに、そう呟いている自分に驚き、悲しくなりました。」
産休から復帰した亜実さんは営業部の32歳のワーママです。営業成績は常にトップクラス、女性活躍推進の期待の幹部候補生です。30歳で結婚、出産ギリギリまで働いて、6ヶ月の産休で職場に戻ってきました。復帰を急いだのは9月に昇格試験があることと、ご主人が育児に協力的なイクメンだったからです。
「育児とお仕事の両立は大変ですね、睡眠はとれていますか?」
「育児は主人が協力的なので大丈夫ですが、仕事に集中できないのです。試験も控えています。」
「今村営業部長は協力的だと思うのですが。」
「そうなんですけどそれが・・・」
復帰して3か月後に昇格試験が待っていました。産休前から決まっていたことですし、3ヶ月もあるので計画的に試験勉強を始めましたが、なぜか全く集中できない自分にイライラしていました。「これくらい、私ならできる。」
今村部長は「営業部初の女性管理職だ、頑張ってください。試験については全面的にフォローするから」と試験の対策やアドバイス、励ましのメールで応援してくれていました。
「怖い・・・」最初は嬉しかった部長からのメールがだんだん怖くなってきました。
誰も私の気持ちを分かってくれない。でも育児に頑張っているご主人には心配かけたくないので相談できない。
一週間前、今村部長から「どう?試験勉強進んでいる?」
「部長、それが他にも仕事が溜まってきてしまい集中してなかなか勉強できなくて・・・」
「忙しいのを理由にしないでほしいな、亜実さんがそんな言い訳言うなんて」
この一言は亜実さんの心の中に突き刺さりました、私が言い訳している。
「ココロ先生、こんな事を言う私もうダメです。」
「そうですか、苦しかったですね、つらい気持ちをご主人に聴いていただきましたか?」
「主人も忙しい中、子育てを頑張ってくれているのでなかなか話せません、昇格試験は産休前から決まっていた事ですし、私の時間の使い方がうまくないのだと思います。」
完璧主義の亜実さんは上司にもご主人にも相談できなくなりました、彼女を追いつめてしまったものは何だったのでしょうか。
この記事を書いた人
働く人の心の保健室 ココロ先生(産業カウンセラー)
社会の変動に伴って「職場」は多様化・変動化しています。イキイキ働ける職場を目指して、「COCOLOLO」を活用したカウンセラー、職場にマッチした効果的な研修を提供しています。