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人間愛から生まれた1曲

このコラムが配信されるのは、たぶん2016年最後の土曜日、大晦日だと思います。そして年末恒例の音楽といえばベートーヴェンの第九が挙げられますが、こちらの1曲は、リストの「愛の夢」です。
ピアノ曲として耳にすることが多いと思いますが、きっかけはドイツの独唱歌曲で、その詩は、「自分に心開く者があれば、できる限り尽くせ。愛しうる限り愛しなさい・・・・・」といった内容で、タイトルの愛とは「人間愛」であることがわかります。
世界を見渡せば決して良いことばかりではなかった一年ですが、締めくくりは大きな愛に包まれたいものです。今回はこの曲と一緒に、回想法を取り上げてみたいと思います。

自己肯定感につながる回想を

回想法は、アメリカの精神科医バトラーが提唱した心理療法です。臨床の現場では、認知症の方や高齢者のセラピーによく用いられる手法です。一方で、音楽療法の講座で若い方に「人生の思い出の曲で当時の気持ちを回想してみましょう」とやってみると、「すっきりした」「前向きな気持ちになった」という声が多く挙がります。自由に選ぶ回想の対象時代は大学時代~20代前半が多いのですが、いい思い出の良い感情は今の自分の肯定感モチベーションにつながることがわかります。

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そこで、今回は、今年あなたが一番幸せだと感じた出来事やその瞬間を回想してみましょう。一番幸せを感じた時の情景、匂い、色、音etc. また、その時どんな気持ちがしたでしょうか?五感の記憶もありありと呼び覚ましてみてください。
私たちは、ついつい思考による思い込みで、過剰に不安や恐怖を作り上げてしまいがちです。一年の締めくくりには、一番幸せを感じた時のいいイメージをしっかりと脳に植えつけて、今の自分という存在をきちんと認めてあげたいものです。
そして、風景やイメージの邪魔にならないようであれば、「愛の夢」を音量小さめで回想のBGMに使ってみてください。
音楽は、古い脳である大脳辺縁系に直接働きかけて、心を安定させるセロトニンや、やる気につながるドーパミンといった快情動の精神伝達物質の分泌を促します。幸せの回想の相乗効果を高めて、来る年を迎えてみてはいかがでしょうか。

愛の夢  Liszt ⇒こちら

この記事を書いた人

Emi(音楽ハーブセラピスト)

ハーバルセラピスト、ヒーリング音楽カウンセラー、+TONE(プラストーン)主宰。音楽・植物療法を用いた「五感を開いたストレスケア」を世に広めるべく活動中。企業マーケティング、ワークショップ、執筆を始め、尾山台サロンでは音楽セラピーや音楽カウンセラー講座を行っています。

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https://www.facebook.com/plustone.jp