「マインドフルネス」という言葉を少しずつ耳にするようになりました。米国Google社、他大手企業での社員研修として取り入れられ、スティーブ・ジョブス氏の瞑想実践などが広まり、日本のビジネスマンの方でも、瞑想されている方が増えているそうです。
このコラムでは、そもそも、マインドフルネスとは何か?について、お話しします。
「マインドフルネス」企業での導入事例
現在、欧米の多くの企業、病院、学校、刑務所、心理療法の分野で、この「マインドフルネス」の考え方が導入されています。まずは、企業での導入例を3つご紹介します。
<導入例その1:Intel社>
インテルでは、2014年から世界10万人の従業員を対象に、「マインドフルネス」をベースにしたプログラムを採用しています。
<導入例その2:Google社>
グーグルではEQ(感情調整能力)を高めることを目的とした「マインドフル」な社内研修プログラムが開発され話題になっています。
<導入例その3:Apple社>
アップルには社内に瞑想やヨガ教室があり、就業時間中一日30分、瞑想ルームで瞑想の時間をとることができます。
いずれも、心身のリラックスや緊張・ストレスの緩和、創造性の向上、リーダーシップの強化などが期待されています。ここに挙げた企業名はほんの一部であり、他にもたくさんの有名企業が「マインドフルネス」を導入しているようです。その数は年々急増しています。
「マインドフルネス」のベースにある初期仏教
このように、欧米の企業で注目されている「マインドフルネス」ですが、そのルーツには、お釈迦様が悟りを開いた瞑想法があります。
大昔にお釈迦様が教えた「人生の苦悩から解放されるための心のトレーニング法」。そのエッッセンスの部分だけを抽出し、宗教色をなくしたものが「マインドフルネス」なのです。
噛み砕いて表現するなら「仏教の伝統的な瞑想法を元に開発された最新の’メンタルトレーニング’」と言えるかもしれません。
そもそも、「マインドフルネス」とは何か?
では一体、「マインドフルネス」とはなんでしょう?ここからが今日、一番お伝えしたい内容になります。
マインドフルの語源には「~に、注意力、意識する」という意味があります。または「念」、他にも「自覚」、「気づき」、「集中」、「覚醒」と言い換えることもできます。
マインドフルネスの第一人者であるジョン・カバットジン教授は、以下のように定義しています。
「瞬間、瞬間の体験に対して、 今この瞬間に、判断しないで、 意図的に注意を払うことによって実現される気づき」
分かりやすく表現すると、
1「今、ここ」 + 2「ジャッジ(判断)しない」 = 「気づいている状態」
これがマインドフルネスです。
1「今、ここ」とは?
瞬間、瞬間(リアルタイム)のこの現実。この文字を読んでいる今まさにこの瞬間のことです。
2「ジャッジ(判断)しない」とは?
評価や判断を入れずに、ありのまま観察し続けること。
この2つの在り方によって、思考というフィルターを挟まない、連続した「気づき(アウェアネス)」だけが残ります。「マインドフルネス」の目的は、この「観察者の視点」を養うことと言っても過言ではありません。
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