うつ、メンタル不調になる人は、ストレスがかかった時に「やっていないこと」があります。
それは、あるがままの自分の自己表現です。
ストレスと言うものは、脳内の情動の発電装置である扁桃体によって作り出されますが、ストレスが生じたときに、うつ、メンタル不調になる人は、「いつも繰り返されるパターン」の中に入っていくのです。
たとえば、私の場合は、すごくストレスがかかったときにいつもやっていたパターンとは、
「だれにも助けを求めず、一人でとことん頑張りぬく」という、パターンの中に入っていったのでした。
人生の中で繰り返されているパターンのことを、脚本、と言います。
脚本をやり続けていると、いつか自分自身の精神状態がおかしくなっていくのです。または、そこまで行かない場合でも、自分の人生がむなしくなってきます。
いったい何のために生きているのか、というように。
どうしてこれが、自己表現していないことになるかと言うと、ストレスに陥るときとは、自分のなかにものすごいネガティブな感情が湧くときですが、この感情の主なものとは、不安、または、恐怖、または、自己否定感、苛立ち、あきらめ、かなしさ、むなしさ、などの感情です。
一番最初は、こういった感情を感じているわけです。これらの感情を発生させているのが、扁桃体の興奮です。
私の場合だったら、ストレスの時はよく、パニックや不安、こわいというような感情を感じやすかったのですが、たとえば、だれか人に、「今、不安なんだけど気持ちを聴いてほしい」と頼んだり、「今の仕事のこういう部分を手伝ってほしい」とお願いしたり、「今の自分の仕事のやり方のどこがまずいのかアドバイスしてほしい」 と依頼したりすることです。
これが自己表現なのですね。
これによって、扁桃体の興奮は静まっていくのです。
なぜなら自分自身の本当の「要求」を充足する行動をとることで、脳内の不安緊張物質である、ノルアドレナリンが排出していくからです。
脚本と言うのは、人によってさまざまで、私が今まで実施してきたセラピーの中で見つけた脚本には、以下のようなものがあります。
1.頑張り逃避脚本
まず、私のような脚本は、頑張り逃避脚本です。
不安を感じたときに、「誰にも助けを求めず、とことんこれでもか、と頑張りぬく」ことで不安を払しょくしようとします。
あきらかに疲れ果てるパターンですね(笑)
2.弱い自分でいること
脚本と言うものは、自分で持っていないものであればどういう意味なのかまったくわからないと思います。この「弱い自分でいる」というのも、当初私は良くわからなかったのでした。
こういうことです。
ストレスに陥った時、弱い自分でいることで助けてくれるよう信号を出す、とうことです。
こういうタイプは、目がうるうるしているのが特徴です。
目がうるうるしていて、「助けてね!」と、こちらに無言で訴えかけられてしまうと、思わず「大丈夫! 守ってあげるから」と言いたくなっちゃいませんでしょうか?(笑)
たぶん私はこの脚本を持つ人にハマりやすいので、わかるんだと思います(笑)。
うまくこの信号をキャッチしてくれる人が周りにいればよいですが、いないとさらにものすごいこわさ、不安、悲しさ、苛立ちのなかに陥ってしまうのです。
自分ではっきり「たすけて!」と言って、期待できない人にはあきらめ、期待できる人を見つける、という自己表現が自分自身を救うのですね。
3つ目からは後編で。
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■6/25(日)13時~。日本産業カウンセラー協会神奈川支部での総会で、私、山本潤一が講演することになりました。テーマ→「脳科学心理療法のご紹介」 申し込みHPができ次第、改めてご案内します。
■11/28発売のビジネス誌「プレジデント」にP34に私が取材され、掲載されました。
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うつ状態に陥っていた私が復活できたセルフセラピー法をシンプルにして、皆さんでもできるテクニックを解説している本です。関心ある方はどうぞ。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。