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前・医大教授の私自身が試したら集中力が上がり、よく眠れた

そうした中で、私は528ヘルツの音の秘密を探るべく手はじめに植物の成長に与える影響を調べました。
栽培中の野菜にモーツァルトの楽曲を聞かせると、発根率(種子から根が出る確率)が2倍になると以前から知られています。
では、528ヘルツの音の場合はどうでしょうか。

この試験では、コマツナの種を2グループに分けてそれぞれ別の鉢に植え、片方のグループのみに528ヘルツの音を含む音楽を1日2回、30分ずつ毎日流しました。
その結果、発根率はどちらのグループも変わりませんでしたが、528ヘルツの音を含む音楽を流したグループでは、茎の長さが均一で芽がきれいに伸びたのです。

もう一方は、茎の長さが不均一でバラつきがありました。
これは、やはり音の作用で植物ホルモンが過不足なく合成されて分泌されたからではないか、と考えられます。
いずれにせよ、528ヘルツの音が生物にいい影響を与えることは間違いないと思います。

そこで私は、自分自身に対して528ヘルツの音が出る「音叉(一定の周波数を発するU字型の金属。末端を体に当てて振動を伝えられる)」を使い、ツボを刺激してみたのです。

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私は、音叉をたたいて音を出しその末端を頭頂の「百会(ひゃくえ)」というツボに押し当て、音の振動を体に伝えました。
ちなみに、百会は自律神経の働きに深くかかわるツボです。

すると、音叉を当てた百会の周辺が熱を帯びた状態になり、頭がさえてスッキリする感覚を覚えました。
おかげで、いつもよりも集中力が増して、仕事が格段にはかどったのです。

さらに、528ヘルツの音を含む音楽をヘッドフォンで10分間聞いてみました。すると、音楽を聞いている最中に体じゅうがポカポカし、安らかな気分になって全身がリラックスしたのです。

帰宅後も、そのリラックス効果は継続していました。スムーズに入眠でき、翌朝の目覚めも大変快適でした。

528ヘルツの音を聞く最も手軽な方法は、528ヘルツの音がふんだんに含まれている「グレゴリオ聖歌」を聞くことでしょう。
グレゴリオ聖歌のCDは、さまざまな種類が市販されているので、好きなものを選んでください。

朝・昼・夜の1日3回、それぞれ10分程度、目を閉じながら聞くといいでしょう。忙しい人は、1日1回聞くだけでもかまいません。

528ヘルツの音のリラックス効果を最大限に味わうなら、音叉がおすすめです。音叉のU字型の金属の側面をたたいて音を出し、耳に近づけてじっくりと聞きましょう。
音が消え入るまでの1~2分間、耳を澄ませることが大切です。これを1回当たり4回くり返してください。
528ヘルツの音を聞いたら副交感神経が優位になった

528ヘルツの音の素晴らしさをみずから体感した私は、その後に埼玉医科大学の学生に協力してもらって実験をしました。

528ヘルツの音が含まれる「グレゴリオ聖歌」を30分間聞いてもらい、聞く前と聞いたあとで、手の甲の温度と、唾液に含まれるコルチゾール(ストレスホルモン)の濃度を測定して、数値の変化を調べたのです。

ちなみに、手の甲の温度が上がり、唾液中のコルチゾール濃度が下がれば副交感神経が優位に働いていると推測できます。

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まず、手の甲の温度については、試験に参加した学生3人ともに上昇しました。グレゴリオ聖歌を聞く前は25・4~30・2度Cでしたが、聞いたあとは全員が32度C半ばまで上昇したのです。

この試験を行ったのは3月でまだ肌寒く、3人の手の甲の体温にはバラつきがありました。
それでも、全員が32度C半ばまで上昇したのは、グレゴリオ聖歌を聞いたことで自律神経の乱れが整えられたからではないでしょうか。

次に、唾液に含まれるコルチゾールの濃度については、試験に参加した学生4人全員がグレゴリオ聖歌を聞いたあとに低下しました。
中には、コルチゾールの濃度が半減した学生がいて、ストレスの顕著な軽減が認められました。

精神的なストレスが軽減すれば、心身の健康増進に役立つとともに、気分よく毎日を過ごせるでしょう。
その後、試験に参加した学生たちは「よく眠れるようになった」「集中力が増した」「気持ちが前向きになった」などと、感想を述べていました。

彼らは20〜22歳の若者ですが、授業やレポート提出、研究活動などで忙しく、睡眠不足で食事もおろそかなようすでした。これは、仕事や家事に追われる現代人や、眠りが浅くて食欲が減退している大人と同じ状態です。
自律神経の乱れを整えたいみなさん、ぜひ528ヘルツの音で癒されてはいかがでしょうか。
記事にあるセルフケア情報は安全性に配慮していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。また、効果効能を保証するものではありません。

写真/© Fotolia ©カラダネ

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