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「根拠のない自信」の背景にあったものとは?

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念願かなって入団した劇団四季だったが、清水さんは結果的にわずか1年で退団することになる。『マンマ・ミーア!』のソフィ役を目指して練習を重ねている最中、またも身体の不調に襲われ、掴みかけたチャンスを手放すことになった。

「自分自身はもちろん、応援してくれていた家族の落胆も大きかった」と清水さん。失意のまま一度は一般職に就くことを考えたものの、障害やそれまでのキャリアの特異さがネックとなり、どこにも採用されることがなかった。

しかし、そんな誰から見てもどん底のような状況にあっても、清水さんの中には一筋の光が見えていたという。それが、ピラティストレーナーとしての道だ。

「根拠はなかったんですけど、ピラティストレーナーとしてならやっていけるような気がして」

それからいくつかの資格を取り、不思議な縁も手伝って28歳で独立開業。自身の予感は的中し、以来、37歳になった現在まで、ソプラノ歌手、ボイストレーナー、ピラティストレーナーの3つの柱で活動を続けている。

清水さん自身は「根拠がなかった」と振り返っているが、そこには障害者として、音楽家として、自分自身の身体と向き合い続けてきた28年の積み重ねがあったことは間違いない。

今ではピラティスに口腔内の使い方や拍子の取り方などの音楽的な知識を組み合わせた指導という、唯一無二の価値を打ち出すまでになっているというのも、それまでの歩みの全てがあってこそと言うことができるだろう。

2020年に見据える新たな夢

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清水さんは生まれつき障害があったことで、自分の身体と向き合わざるを得なかった。そのことがトレーナーとしての現在の清水さんを形づくっているのは確かだ。

しかし、そんな清水さんが今思うのは、「多くの人は自分と比べて素晴らしい身体を持っているのに、そのことが当たり前すぎて、自分の身体を大事に扱っていない」ということだという。

清水さんのクライアントには自分と同じような障害者もいる。そうした人たちに対しても、あえて「甘えるな」と厳しい言葉を投げかける。

「身体を知るということはすなわち、自分を知るということなんです。可能性はそこから広がります。障害者の中にも、障害を理由に何かを諦めて、どんどん悪い状態に陥っていく人がいることを見てきました。健常者も障害者も、自分の身体を大切に扱えばもっとすごいことができるはずなんです」

だからまずは、道具としての身体の使い方を知ることから始めようというのが清水さんのメッセージだ。もちろん人に言うだけではない。指導者としての清水さんは歩みを止めず、昨年11月にはフィリピンにあるアジア最古の大学である聖トマス大学音楽学部の声楽科の生徒に身体を使って発声するマスタークラスの指導を実施。今年1月にはアメリカに渡り、『アナトミートレインズ』の著者トーマス・マイヤースが主催する解剖実習を受けた。「人間の身体が持つ可能性は本当にすごい。学ぶほどに発見がある」と興奮気味に言う。

一方では、40歳を前にしてどんどんと声が出るようになり、ソプラノ歌手としてのモチベーションも高まっているという。「自分の声をどこまで開発できるかということにも挑戦していきたい」と清水さんは話す。

そしてその先には、見据える新たな夢がある。それは、東京パラリンピックの開会式の舞台で歌うことだ。

「障害があっても、諦めなければ自分のやりたいことがここまでできるんだということを、これからも発信していきたい」と清水さん。これまでと変わらぬ姿勢で、2020年を迎えるつもりでいる。

 

清水 美也子(シミズ ミヤコ)さん

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singer(クラシッククロスオーバー・ミュージカル)
Miyakoヴォイストレーニング 主宰
コンディショニングスタジオReinette(レネット)主宰
OSK日本歌劇団 研修所 講師

資格
ネバダ州立大学公認ピラティスインストラクター
STOTT PILATES fullcertificationインストラクター
YAMUNA FOOTFITNESSインストラクター
BODY CIRCLEインストラクター

4月8日 神戸三宮cash boxにてLIVE「Spring has come」
7月23日  神戸 酒心館「Nuestra Mundo~音と踊りで作り出す私達の世界~」
9月8日 芦屋Left-alone「清水美也子アコーステックLIVE」

兵庫県芦屋市のスタジオにてヴォイストレーニング・ピラティスの個人セッションや
企業研修など、希望に合わせた内容での出張レッスンを行っている。
東京でのセッションも不定期開催。スカイプによるヴォイストレーニングレッスンも。
お申込み・お問い合わせはreinette2008@gmail.comまで

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