先日、2016年6月18,19日に放映された、NHKスペシャル「キラーストレス」をyoutubeで見ていたら、福井大学の友田明美教授と言う方が、こんなことを言っていて面白いなあと思ったのです。それは、
「幼少期にトラウマを受けている人は、扁桃体が大きくなるので大人になってから、ちょっとした刺激に対しても敏感に反応する」
なんとなくわかる気がしませんか?
敏感に反応するとは、要は、ちょっとした刺激に対して、不安や怖さの感情が起きやすいということです。
キラーストレスの番組の要旨がこちらで文字でまとめられているので、ご興味あったらお読みください。
このページの中盤の「ストレスに強い人、弱い人」の項目の部分です。
これは確かにそうだろうな、と思います.
でも、一方で、扁桃体の過敏な感受性を高める要因は、私が知っているだけでもあと2つはあるのです。
一つ目は、「不安遺伝子SS型を持っている人の扁桃体は、LL型の人の扁桃体よりも周りの表情に敏感に反応する。」
これは京都大学の野村 理朗 准教授が説明しています。
私が昨年度出版した本、「不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本」秀和システム にもこのことは書いたことです。
不安遺伝子には、主なものとしてSS型、SL型、LL型の3種類があります。SS型が一番敏感なタイプでLL型が一番動じないタイプです。
ある研究では日本人は64%がSS型の不安遺伝子を持っていると報告されていますので、周りの顔色に敏感に反応する扁桃体感受性を持っている人が非常に多いということです。
だから、幼少期のトラウマによって、確かに扁桃体が大きくなり敏感度が増すのかもしれませんが、SS型不安遺伝子をもともともって生まれていれば、周りの顔色に非常に敏感に反応する感受性を持っているということなのです。
人見知りの激しい赤ちゃんなどは、こう考えるとよくわかるでしょう。
ではもう一つの要因は?続きは後編で。
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■私のメンタル本がこのたび重版になりました。
「不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本」 出版社・秀和システム
うつ状態に陥っていた私が復活できたセルフセラピー法をシンプルにして、皆さんでもできるテクニックを解説している本です。関心ある方はどうぞ。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。