昨年のクリスマスの朝、イギリスのミュージシャン、ジョージ・マイケルが亡くなりました。
まだ、53歳。わかいなあ、もったいない。
私は彼のボーカルが大好きでした。若い人は知らないかもですが、80年代はWHAM(ワム)というグループを作って、大ヒットを連発していたのですね。
「Last Christmas(ラストクリスマス)」という曲は、クリスマスになると今でもあちこちでかかるので、若い人でも聴くとわかるんじゃないかと思います。
ネットを見ると死因は、ドラッグのやりすぎとかいろいろ出てきていますね。でも、私はピンときたことがありました。
結果的にはドラッグなのかもしれないけれども、根本的な原因は多分こうなんじゃないのかな、と。もちろん私の推測ですが、ピンとくるものがあるのです。
ネットをいろいろ読んでみると、彼は子供の時からすごく内気だった、と言うことが書かれています。この段階でもうわかる人にはわかります。
人に対してすごく不安や恐怖心が強かったということです。感受性を作っている脳内の情動の発電装置、扁桃体(へんとうたい)がすごく敏感だった、ということです。
そして、その後成人してから、うつになったり不安が強すぎて入院したりとかしているので、扁桃体が敏感すぎることがよくわかるのです。
いろいろカウンセリングを受けていたとかも書かれていますが、たぶん、そうしたカウンセラーは、扁桃体を安定化させるなどと言う知識はなかったことでしょう。
実は、扁桃体が非常に敏感だとすぐ不安になりやすいので、脳内では神経伝達物質で、不安緊張を作り出すノルアドレナリンが高分泌になりやすいのですね。
そうすると、ハラハラドキドキが強くなり、メンタルがすごく不安定化します。夜の眠りも浅くなるでしょう。
そこで、です。これを緩和させるために、ドラッグを使い始めたんじゃないか、と。
ドラッグを使うと、たぶん脳内にドーパミンとかの快感物質が高分泌になるので、不安は一時的に消え、気持ちよくなるでしょう。
でも一時的ですから、たぶん手放せなくなってしまうはずなんです。
続きは後編で。
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この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。