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図1

月の癒し力

先日は今年初めての満月でした。冬の澄んだ夜空はひときわ神秘的で、天文に詳しくなくても上を向いて歩いてしまいます。
古来より音楽家も月に魅了され、洋の東西問わず月を標題にした楽曲がたくさん生まれました。滝廉太郎の荒城の月、ジャズではムーンリバー、J-POPでも三日月、ドビュッシーの月の光・・・・・・。どの曲も、ゆったりしたテンポで静かで温かみがあります。月を想って作られた曲には人間の心を癒す力がありそうです。

睡眠の質を高める1時間前行動

人間の身体は本来、夕方になると副交感神経が優位になり、眠りの体制を整え始めます。でも、私たちは自然のリズムが乱れがち。寝る前には強制的にでも疲れた脳をクールダウンし、副交感神経を高めたいものです。
そんな時に役立つのが、夜を題材にした曲=作者が夜を想って作った曲、中でも曲調が暗くない心が軽くなるような曲を集中して聴いてみるということ。
できれば就寝前1時間くらい前からは色々な思考を止めて心身を鎮静させたいところです。月が出ていれば眺めたり、月夜を思い浮かべて妄想散歩しながら聴くのもいいでしょう。

図2
安眠に導くベルガモットの精油

そこで、本日の1曲はドビュッシーの「月の光」。フランスの詩人ヴェルレーヌの「月の光」という詩にインスピレーションを得て生まれた曲です。
ドビューッシー研究で有名な青柳いづみこさんの本によると、当時貴族たちは贅を凝らした舟を運河に浮かべ、そこでは喜劇役者たちが即興仮面劇で座を盛り上げたとか。月明かりの下をそぞろ歩く道化を演じる役者や貴族たちたちの悲喜こもごもを謳ったのがその詩です。ドビューッシー独特のアンニュイな響きに、ただ浮かれているだけではない役者たちの心境が映し出されている気がします。
実はこの曲は、北イタリアのベルガモ地方に由来するベルガマスクという組曲の中の1曲なのですが、精油のベルガモットはまさにそのベルガモ地方が原産地。
ミカン科ゆえにその香りは万人に好まれ、気分を明るくしてくれます。と同時に、ベルガモットの主成分には酢酸リナリルやリナロールといったラベンダーと同じ成分が含まれており、他の柑橘類の精油にはない鎮静効果も併せ持つのが特長です。
疲れてちょっと気分が滅入った夜、やさしい音楽と一緒に芳香することで、気分を落ち着かせ質の良い眠りへと導いてくれます。お湯の入ったマグカップに精油1-2滴垂らしてお風呂に入りながらの芳香浴もオススメです。

月の光  Debussy ⇒こちら

この記事を書いた人

Emi(音楽ハーブセラピスト)

ハーバルセラピスト、ヒーリング音楽カウンセラー、+TONE(プラストーン)主宰。音楽・植物療法を用いた「五感を開いたストレスケア」を世に広めるべく活動中。企業マーケティング、ワークショップ、執筆を始め、尾山台サロンでは音楽セラピーや音楽カウンセラー講座を行っています。

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