先週のコラムでは、うつ、メンタル不調になる人が必ず持っていると推測される1つめの遺伝子は、「不安遺伝子」であることをお伝えしました。
そして、2つめの遺伝子とは「執着気質遺伝子」です。
執着気質遺伝子とは、俗にいう「完璧気質」を作り出す遺伝子です。
よく、「もっといい加減に生きれば、うつ、メンタル不調にはならないよ」というようなことが言われますね。それは確かにそうなのですが、そんなに簡単にはこの執着気質遺伝子が作り出す完璧気質は乗り越えられません。
執着気質遺伝子を持つ人は、快感物質ドーパミンがなかなか伝達しにくく、つまり「これでもかこれでもか!」というほど、強い信号を送ることによって、やっとドーパミンが伝達していく。
つまり、しつこくこだわることにより、自分や相手に対する要求度が高く、それにより自分も相手も苦しめる、という傾向を作りやすいのです。
私ももともとはかなりの完璧気質で、かなり物事をきっちりやらないと、気がすまない、というようなタイプだったのです。だから、自分にも相手にもいらいらしやすかったし、不安になりやすかった。
安心できなかったのですね。流れに任せられないから。
でも、遺伝子と言うのは、「心の変化」で切り替えることができるのです。遺伝子と言うのは、オン、オフさせることができるのです。
このことは、弊社顧問である筑波大学名誉教授・宗像恒次博士の研究で、明らかなのです。
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2万数千種の遺伝子に対して、ここで紹介しているセラピーを2回やったところ、発現の増減(オン、オフ)が確認されたものが3495種類あり、その内訳は発現の増加が確認されたものが1251種類、発現の減少が確認されたものが2244種類あった。
これをがん抑制電子に絞ってみると、発現の増減が確認されたものが124種類あり、発現の増加が確認されたものがTP53,RUNX2,PMLなど63種類、発現の減少が確認されたものががん遺伝子SUZ12,TUSC2など61種類存在した。
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引用元→「クロマチン修飾を通じた全遺伝子のON-OFFとNK細胞の著しい向上:ユニバーサルヘルスへ向けた自然科学的取組み(ヘルスカウンセリング学会年報2011:31-39)」より。
というように、遺伝子のオン、オフは心の変化で変化させられるのです。つまり、ここで紹介している、情動の発電装置である扁桃体の興奮を鎮静化させるセラピーを行う事により、変化させることができる、と言うことです。
続きは後編で。
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■6/25(日)13時~。日本産業カウンセラー協会神奈川支部での総会で、私、山本潤一が講演することになりました。テーマ→「脳科学心理療法のご紹介」 申し込みHPができ次第、改めてご案内します。
■11/28発売のビジネス誌「プレジデント」にP34に私が取材され、掲載されました。
ご興味あったらご覧ください。
■このたび9/14に私のメンタル本が出版されました。
「不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本」 出版社・秀和システム
うつ状態に陥っていた私が復活できたセルフセラピー法をシンプルにして、皆さんでもできるテクニックを解説している本です。関心ある方はどうぞ。

この記事を書いた人

日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。