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eye

「うつはこころのカゼですよ~」という言葉をよく聞きますね。
これって、そんなに恐れなくてよいですよ、と言う意味ではよい言葉だったと、私も思います。

でも、だからと言って、しばらく休んでいればよいのですよ、とか、仕事も楽なものに変えてもらって無理しないでお風呂にゆっくり入りましょうね、とか、お話を聴いてもらいましょう、とか、なんとなく解決策をあいまいなものにしてしまった一因でもあるのではないかな、と私は感じています。

うつは、脳科学的、免疫学的に言って原因はかなりはっきりしています。

うつの人の脳内血流を調べると、大脳辺縁系と言う感情を発生させることに関係する部位に非常に血流が集中し、前頭前野部の血流がダウンしています。

前頭前野部とは、物事を考えたり判断するところなので、ここの血流ダウンというのはそれができなくなっているということなのですね。
頭の中では、感情がグワーー!!と渦巻き、思考が働かなくなっているということです。

また、fMRIを使った研究では、その人にとって「こわいと感じる顔」を見せると、扁桃体(へんとうたい)という恐怖感情を発生させる部位が、興奮する、と言うことがわかっています。
うつやメンタル不調に陥っている方々は、不安や恐怖感情が強く発生し、それが持続している状態です。
ということは、扁桃体が慢性的に興奮状態にあるということだと思うのです。

また別の研究では、サルの扁桃体に電極を差し込み、そのサルに様々なイラストを見せる、という実験があります。これによると、サルの顔を書いたイラストを見せると、サルの扁桃体はものすごく興奮し電気を発生させます。
ところが、サルのイラストから「目」を消して見せると、サルの扁桃体は電気を発生させないのです。またこのサルに、人間の顔を書いたイラストを見せると、扁桃体は激しく興奮します。

ものすごく感情が発生している、と言うことです。おそらく興奮したりしているのでしょう。

ところが、この人間のイラストから「目」を消して見せると、サルの扁桃体は興奮しないのです。電気をあまり発生させないのです。

不思議ですよね。このことからわかること、それは後編でお話ししましょう。

この記事を書いた人

mr.yamamoto
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)

顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。

*個人セラピーご案内HP
http://www.reservestock.jp/page/reserve_form_week/1509
*企業メンタルご担当者向けHP
http://www.mentalsaisei.com/