クナイプ療法発祥の地へ
クナイプと言うと、ドラッグストアで見かける入浴剤ブランドでしょ、と思われる方も多いと思いますが、実は、19世紀半ごろドイツのバイエルン地方に赴任したセバスチャン・クナイプ神父によって確立された自然療法があるのです。
メディカルハーブの教科書にも総まとめ的な章にきちんと取り上げられているこの療法、五感をフルに使うホリスティックな療法としてずっと気になっていたので、ドイツ出張を機に発祥の地へ足を延ばしてきました。
場所はミュンヘンから急行&鈍行を乗り継いで1時間余りのバートヴェリスホーヘンというところ。長閑な牧草が広がる郊外にある、国が認めた保養地(湯治場)です。
ドイツでは景気の良かった時代に国を挙げて自然療法施設の整備(街丸ごとの整備)に力を注ぎ、自然療法への保険適用も充実させました。BAD(バート)とつく街には、そんなところが多いのです。
実際に行ってみると軽井沢みたいに小ぎれいでかわいらしい街。近代医学では対処が難しい慢性疾患を治療しようと何週間も滞在する人が多く重篤な方から余暇風な方まで、平均年齢は相当高め。楽しそうにおしゃべりする熟女二人連れをよく見かけたのは、何処も同じでしょうか・・・・・。
バランスを取り戻すライフスタイル
クナイプ療法には5つの柱あります。水療法、運動療法、食事療法、植物療法、そして秩序療法です。
神父自らがドナウ川の冷水を使って重い肺結核を治したということから、水を使った療法(ホースを使って水をかけるとか、水浴、歩行、摩擦、など)が中心に位置づけられますが、その人の持つ自然治癒力の回復のために、食事やトリートメントにメディカルハーブを使ったり、身体を動かしたり、、、総合的に治療(正式には専門医師による処方箋に基づいたプログラムが組まれる)を行います。
私は一日半しか滞在しなかったので、療法は行えずクナイプ博物館へ。当時の診療室や治療に用いた道具などがリアルに展示されています。そして、見つけたのが、COCOLOLOにピッタリのこの展示。天秤の上には「ライフハーモニー」、左は「ストレス(駆動、混乱)」、右は「穏やか(抑制、秩序)」といった感じでしょうか。ドイツ語は全くわかりませんが、ピンときますよね。自然との調和を基盤とする療法。目指すはバランス!なのです。
ドイツでは自然療法の背景にある様々は思想や哲学自体が数多く存在していて、ライフスタイルそのものが自然と共存しています。
クナイプのみならず、お伝えしたいことはたくさんありますので、引き続きコラムでご紹介できればと思います。
因みに、宿泊したホテルにはテルメという水療法ができるエリアがありました。泳いだり、冷水に足をつけたり、サウナに入ったり、、、そんなことをした一日のあとの私の測定結果です。見事にバランスがとれていました~
この記事を書いた人
Emi(音楽ハーブセラピスト)
+TONE(プラストーン)主宰。音楽・植物療法を用いた「五感を開いたストレスケア」を世に広めるべく活動中。企業マーケティング、ワークショップ、執筆を始め、尾山台サロンでは音楽セラピーや音楽カウンセラー講座を行っています。
https://www.facebook.com/plustone.jp