私は今まで様々な心理療法を勉強してきて、うつやメンタル不調の方に活用してきました。
そこでわかったことは、多くの心理療法は「考え方」を変えようとしているものが多いな、ということです。
たとえば職場に行くと不安だ、と言っている人がいたとすると、どうして不安なのか紙に書いて分析したり、不安にならない方法をやはり紙に書いたり、または紙に書かなくても「原因」を考えさせたり、するものが多くありました。
または傾聴によって、気づきを促そうとするやり方のものもありました。
しゃべるということはそもそも、解釈していることをしゃべるので、かなり思考が混ざっています。
こういうやり方を私はかなり使ってきましたが、うつやメンタル不調を解決することにはなかなかなりませんでした。
もちろん変わりますが。多少変わるくらいでは、お客さんは満足しません。
うつやメンタル不調を改善するにあたって重要なのは、情動を変えることなのです。
情動とは、「感情」と「身体感覚」のことで、つまり「感じ方」を変えることを意味しています。
うつやメンタル不調に陥っている方は、不安だとか、怖いという感情の他に、たとえば胸がドキドキするなどの身体反応を一緒に持っています。
情動は、扁桃体が大きく影響しているのです。胸がドキドキする反応を、「考え方」を分析することでは解決するのは難しいです。
なぜ、その人の前に行くと胸がドキドキして不安になるのか、を必ずしも説明できないですよね。
知的な作業では、うつやメンタル不調は改善できないのです。
でも、なぜ「考え方」や「思考を分析」するような心理療法が多いかと言うと、これは私の推測ですが、私達人間は、思考したがる生物だからだと思います。
私達人間の脳は、大脳皮質がすごくに発達しているので、どうしても思考や解釈をしようとする。でも、魚は扁桃体しかないから、考えない。感じたままに行動します。
で、私たち人間だって扁桃体は、感じたままに反応して、情動を発生させているのです。でも、どうしても「思考」で解決したがりますね。
扁桃体は、「思考」や「考え方」を駆使することでは制御できません。
あなたの「感じ方」を制御することが必要です。扁桃体興奮を鎮めると、自動的にあなたの「感じ方」が変わり、うつ、メンタル不調は改善していくのです。
他の様々な方法で、不安、うつ、メンタル不調が改善しなかった方に、特にお勧めします。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。