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図1

わかったつもりになりがちな脳

先日、脳研究者の講演を聴く機会がありました。学校主宰だったので学習に紐づくお話でしたが、「脳の慣れを防いで上手く活用しよう」というテーマは私たちの日々の思考のクセに共通することも多々あると思われました。途中、ブレイクタイムと称していくつかの目の錯覚テストがあったのですが、脳はいとも簡単に「錯覚してしまう」ということがとてもよくわかりました。
私たちの脳は、根っからラクしたがりやで、「いつものパターン」で短絡的にに解釈したり、ありもしないことを思い込んだりするクセがあります。そして漠とした不安や恐れは脳が作り上げるもの。脳のマンネリや慣れを打破することは、こころの健康のカギとなりそうです。

いつもと違う感覚器を刺激することの大切さ

私はよく「今朝、ここへ来るまでに何か自然の音を聴きましたか?」と問いかけます。残念ながら忙しい朝、自然の音はスルーされることが多いです。視覚と聴覚は生活の質をコントロールするということをどこかで読んだ記憶があります。なのに、聴覚ってすごくないがしろにされがちなのです。都会にいても、少し意識すると鳥のさえずりが聴けます。ふだん意識していない感覚器を「意識して」使う、そのことが脳に刺激を与え、ひいては行動やこころ持ちを変えるきかっけにもなるのです。

図2

ジャズスピリットで脳に刺激を

今日ご紹介する音楽は、アメリカの作曲家ガーシュインの「I got rhythm」。実は、私がピアノの先生から「たまにはいつもとガラッと変えた曲を」と提案された1曲です。
ジャズのスタンダードナンバーで、コメディタッチなミュージカルの中でタップダンスと一緒に歌ったり踊ったりされたもの。作られたのは1930年、音楽の潮流はロマン派でショパンなどが活躍していた時代です。そんな時代にアメリカではこんなにも自由な曲が生まれ、しかもこの曲のコード進行は普遍的なジャズコードとして後世のミュージシャンに多大な影響を与え発展していったのです(I got rhythmのベースコードにメロディーだけ変えていくことから「リズムチェンジ」という)。マンネリとは対極にあるアレンジ精神。弾いても聴いても脳には新鮮に映ることでしょう。
日々のルーティン、人間関係、生活スタイルetc.マンネリはこころに閉塞感をもたらします。そんな状況に陥ったら、いつもと違う音楽を聴いてみるだけでも良い刺激となります。自由さ、明るさ、開放感、そしてハギレの良いリズム!そんな音楽を聴いてみると、何かが少し変わるかもしれません。

I Got Rhythm Gershwin⇒こちら
(音源はyou tubeより転用)

この記事を書いた人

殿村江美

ハーバルセラピスト、ヒーリング音楽カウンセラー、+TONE(プラストーン)主宰。音楽・植物療法を用いた「五感を開いたストレスケア」を世に広めるべく活動中。企業マーケティング、ワークショップ、執筆を始め、尾山台サロンでは音楽セラピーや音楽カウンセラー講座を行っています。

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