このコラムで紹介しているように、うつ、メンタル不調、生きにくさを解消していくには、まず情動の発電装置である、扁桃体を鎮静化するということが必要になりますが、実は、もうひとつあります、それは、あなたが先祖から受け継いでいるパターンに気づくということです。
私たち人類の歴史は、縄文時代はのんびりゆったりした平和な暮らしだったようですが、弥生時代に入り農業がおこなわれるようになると、収穫高の良い人よくない人、の差ができ力によって相手のものを奪い取ろうとする、いわゆる戦争が起きるようになりました。
その後、ずっと今日に至るまで権力闘争、他人を蹴落として勝ち残ろうとしたり、人を打ち負かして権力を拡大しようとしたり、の繰り返しなのです。
平安時代もそうだし、戦国時代もそうだし、江戸時代だって徳川家によって世は安定したとはいえ、出世競争とか他人を蹴落とす権力闘争とか、そんなことばかりしていますよね。
これは明治、大正、昭和、平成に入っても基本的には変わりません。
受験戦争とか、いい会社に入るとか、出世競争とか、ありますね。
近年はさすがに、他人との競争で相手を殺戮するなんてことは一般的にはしないでしょうが、何百年か前までは、自分の欲望を満たすために殺し合いをするなんて、ごく普通に行われていたのです。
この長い繰り返しのパターンが、私たちの体にはしみついています。
このコラムでは、扁桃体の鎮静化という言い方をしていますが、扁桃体は相手の表情に敏感に反応しますので、これはつまり、相手の反応によって自分自身には恐怖、怒り、悲しみ、などのマイナス感情が起きるということで、競争、権力闘争、戦い、を引き起こす負の感情を発生させるのですね。
私たちには、どうしても先祖から続いているネガティブな生き方のイメージ伝達があるのです。これに心底気づく必要があるのです。気が付かないと変えられないからです。
よく前世療法というものがありますね。前世とは魂が不滅だという前提に立っていますが、こちらはそういうとらえ方ではありません。
先祖からつづく扁桃体の発火パターンがあり、これが世代を超えて伝達されていくのです。
たとえば私は先日、セルフセラピーをしていた時、こんなイメージが見えました。
続きは後編で。
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■このたび9/14に私のメンタル本が出版されることになりました。
「不安遺伝子を抑えて、心がす~っとラクになる本」 出版社・秀和システム
うつ状態に陥っていた私が復活できたセルフセラピー法をシンプルにして、皆さんでもできるテクニックを解説している本です。関心ある方はどうぞ。
この記事を書いた人
日本メンタル再生研究所所長 山本潤一(脳科学心理セラピスト)
顧問・宗像恒次博士(筑波大学名誉教授)が開発した心理療法で、某上場企業では3年半、初回うつ休職者再発率0%に貢献。「脳科学心理セラピー」により、うつ・メンタル不調者への短期間での改善支援、復職支援、再発防止支援、などのサービスを行う。