海老原由佳さんは、ポーランド国立バレエ団でプリンシパル(バレエカンパニーにおける最高位)として踊る日本人ダンサー。数々の作品で主役を務め、いまや同バレエ団の顔と言える活躍を続けている。
バレエダンサーの舞台上の華やかなパフォーマンスは、しなやかに鍛え上げられた肉体によって支えられている。由佳さんはそのためのトレーニングにピラティスを取り入れているのだいう。
バレエダンサーにとって、ピラティスはどのような点で有効なのだろうか。シーズンオフで日本に帰国中だった由佳さんに、バレエとピラティスの関係について話を聞いた。
欧州のバレエ団にはマシンを常設しているところも
――由佳さんがピラティスと出会ったのはいつ頃のことですか?
大学を辞めてカナダへバレエ留学していた時なので、いまから10年くらい前のことです。バレエの友達にピラティスをやっている人がいて、その人に勧められたことがきっかけでした。
ただ、当時はまだそこまで真剣にやっていたわけではなく、たまに通うくらいだったと思います。
――その後、本格的にピラティスをやるようになったのは?
6年前、シーズンオフで日本に帰ってきた時に、思い立ってBASIの渋谷スタジオへ来てからです。そこからは毎年夏に1か月くらい帰国している間、集中的に通うようになりました。
――BASIの資格もお持ちなんですよね?
はい。4年前にドイツでマットトレーナーの資格を取得して、他のダンサーに指導していた時期もありました。いまはバレエが忙しくてできていないのですが。
でも今回、日本でマシンのプライベートレッスンを受けてみて、マシンの資格もぜひ取りたいと思うようになりました。
――シーズン中はどんなふうにピラティスを取り入れているのですか?
朝のバレエクラスの前に、ウォームアップとして1時間弱やっています。ストレッチなどの他の運動もするんですが、筋肉を目覚めさせるウォームアップとして、ピラティスが最適だと感じます。
――ヨーロッパのバレエカンパニーではピラティスをやるのは一般的なんですか?
バレエダンサーでピラティスをやっているという人は結構いると思います。大きなバレエ団であれば、マシンを常設しているところもあります。
私が踊っているポーランド国立バレエ団には、セラピストがいてバランスボールなどの設備が整っているジムがあります。そこに今度ピラティスマシンも入ることになったので、少しづつ勉強を始めました。使えるようになるのが楽しみです。
――ピラティスメソッドの創始者であるジョセフ・ピラティスさんも多くのダンサーを指導したと言われています。だからそのお弟子さんである第一世代の指導者も、ほとんどがダンス経験者なんですよね。
そうみたいですね。日本の滞在中に最初にどのスタジオに通おうか調べた時も、ダンサーが始めたというバックグラウンドをみて、BASIに決めたんです。やっぱりダンサーとしてのエクササイズが知りたかったので。
それに、BASIは世界中にスタジオがあるのも魅力でした。
続きは後編で。
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