3つの対処法~ストレス耐性づくりは身体づくりから~
運動を行うことは、ストレス耐性をつけるために有効であると考えられています。その理由としては3つあります。
①身体的なストレス耐性は、体力的な余力に比例して精神的な余力の増加に、すなわち精神的ストレス耐性に繋がる
みなさんも経験があると思いますが、仕事で疲れている時にちょっとした出来事(帰ったら家が散らかってる、子供が駄々をこねるなど)でイラッときたりしますよね。体力があれば、難なく対応出来でても、疲れていると精神的に余裕がなくなることはよくあることです。
ですので身体を鍛え、体力を付けることは心の余裕を持つことに繋がります。私のよく通っているジムの壁には「優しい心は鍛えられた身体の影に」とさり気なく貼ってあるのですが、的を得た言葉であると思い、気に入っています。
②運動のスキルが向上することで、出来る実感から自信(効力感)を得ることが出来る
何かが出来るという実感は自尊感情を保つ上で非常に重要な役割を果たします。
「自分もやれば出来るじゃないか」そんなふうに思える実感を、心理学用語では「効力期待感」といいますが、この効力期待感は次の行動、チャレンジに繋がる役割を果たしてくれます。
この出来る実感を大事にしながら生活習慣につなげていきたいですね。
③運動が質の良い睡眠に繋がる
一般的に、ストレス条件下では筋が緊張し皮膚温が下がります。逆にリラックスした状態では筋は弛緩し皮膚温は上昇します。適度な運動は緊張と弛緩を繰り返し、運動が筋のマッサージ効果を生みます。筋がリラックスしていれば、大脳皮質の興奮水準の低下や交感神経の沈静化に繋がるとされています。
このことは、良質な睡眠の導入にも繋がることから、生活リズムを整えることにも非常に有効であると考えられます。
もちろん沈んだ気持ちが長引くようであれば、適切な受診をされることをおすすめしますが、気持よく日々の生活を送るために自分で出来る工夫があります。自分で自分の生活をコントロールするスキルを身につけたいですね。
<ライター>
神保洋平(じんぼようへい)
1980年生まれ 山形市出身。H15~21 栃木県大田原市で回復期から生活期を支えるクリニックに勤務。 リハビリテーション部 主任を経て、 H19.2 認知運動療法士取得(マスターコース修了)。
H21~現在は、神奈川県の作業療法士養成校 作業療法学科にて専任教員を務めています。また、H27.3首都大学東京大学院 人間健康科学研究科 博士前期課程修了。現在 同大学院 人間健康科学研究科 博士後期課程 在学中。
趣味は楽器演奏(ギター、ドラム、ベース)、写真撮影、ドライブ、サイクリング。また、現在没頭していることは、質的研究(意味、価値観、同一性、自己論、ナラティブ、現象学)読書しながらの筋トレ。
好きな言葉は「真実の追求は、誰かが以前に信じていた全ての”真実”の疑いから始まる」(Byフリードリヒ.W.ニーチェ)。信念は「為せば成る」。
好きな音楽はWong Wing Tsan「夏の風車」。実は、以前某ワークショップで彼とご一緒させていただき、無理を承知でリクエストしたら快くOKを頂き、おまけにワーク中の演出としてサプライズ演奏!大感激でした。非常に思い出深い1曲です。とても奇策な方で、活躍されているにも関わらずとても謙虚、それでいて肩肘張らない柔らかい雰囲気が大好きです。
学会発表、講師活動、論文発表等多数。
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